就職活動

昨年の11月から行っていた就職活動が、一昨日にきた某社からの内々定通知電話をもって終了した。非常に苦しい戦いであった。14社の採用選考を受けて1社からのみ内々定を頂いた。ほっとしたところで、これまでの就職活動を振り返ってみることにする。以下は長文で愚痴を含みます。


ほとんどの会社の採用選考はエントリーシートの提出、筆記試験(SPI,オリジナル問題等、会社によっては無い場合もある)、数回の面接からなる。私はエントリーシートと筆記試験をパスすることができたのだが、自分の考えを言葉で表現するのが苦手なので面接でドカドカ落とされていた。

最初の頃はゲーム会社、電機メーカ、ソフトウェア会社を中心に受けていた。だが、選考で落とされまくって改めて自分のやりたいことは何なのだろうかと考えた。自分のやりたいことができる職種ならば面接にて熱意を伝えられると考えたからである。結論として、自分のやりたいことはソフトウェアにおいて処理に時間がかかる部分を、アルゴリズムを用いたりコードの最適化をして解決すること、であった。この結論から、自分の適性はゲーム会社だと考え、志望分野をゲーム会社のみに絞った。この選択は間違いだった。

私はゲーム会社が求める人材(中でもゲームプログラマ)とは、プログラミングにおいて突出した能力を持つ人(たとえば、美しいコードを書く、高速なアルゴリズムを提案する、最適なコードを書く、等)だと考えていた。ゲームは3次元描画が主流になってからは、衝突判定やらリアルタイムレンダリングやら計算時間が膨大になっているし、コード自体も複雑になっているという背景から、そのような考えに至った。また、ゲームプログラマはゲームプランナーの提案する仕様を忠実に実装するのが仕事であり、プログラミング能力が何よりも重要なのではないかと考えた。だから、ゲーム会社の面接ではプログラミングが得意でプログラミングコンテストに出場して上位入賞したというアピールを行った。ところが、私はすべてのゲーム会社の選考を通過することができなかった。

恐らく、ゲーム会社が本当に求めている人材とは、楽しさをとことん追及する人だったのではないだろうか。ゲーム開発環境は、データ構造や各種アルゴリズムを含んだライブラリが充実しており、プログラミングをする際の負担は少なく、プログラミングの得意な人は特に必要としておらず、それよりもプランナーと共にゲームを面白くする仕様を互いに提案しあうようなゲームプログラマーがほしかったのだろう(あくまで私の予想であり、間違ってるかもしれません)。

それを考えると、私はゲームを作ったことがなく、またゲームやプログラミング以外の趣味がないので、ゲームで人を楽しませるような器量を持ち合わせてないのであろう。そして、自分の志望分野を改めて考えることにした。自分のしたいことと適性を考えた結果、ソフトウェア開発や研究職が向いているのではないか、と考えた。そして、電機メーカのソフトウェア開発部門や研究開発職にエントリーした。なお、この時点で6月の上旬であり、エントリーを受け付けているのは大手企業と一部の中小企業のみであり、既に枠が無くなりつつあった。大学院までいったのにニートになるかもしれないと思った。不安を払拭しつつ、苦手な面接に挑む。事前に、自己分析と企業研究をこれまでよりも念入りに行った。その甲斐あってか、新たにエントリーした4社のうち1社から内々定をもらえた。私の就職活動を心配していた、妹と両親といとこと指導教官にメールを送り、Skypeで私を応援してくれた中国人に礼を言い、頑張った自分へのお祝いとして自宅で杏露酒のリンゴジュース割とシュークリームとあらびきポークフランクを食べた。

就職活動は苦しかったものの、結果としてはいい企業に入れたのではないかと思う。また、就職活動を通じて様々な経験をすることができた。例えば、ゲーム会社の建物のデザインに圧倒されたり、面接の後にゲーム開発者の人に質問をしたり、恐らく文系であろう人事部の面接官に自分の研究内容を話したり、等である。今の自分に足りないであろう対人スキルや文章能力も鍛えられたし、時間をちゃんと守るようになった。これらの経験が自分の成長につながったのではないかと願ってやまない。

だが、もう二度と就職活動はするまい。